”笑顔だよ”の言葉を遺して
還って逝った貴女。
笑いは無上の強壮剤であり開運剤
「いつの時も笑顔で生きる。」
今は亡き最愛の妻が、
最期の時を迎えるひと月ほど前、
入院先の病室に見舞いに訪れた際、
いつものようにベッドに並んで腰掛け、
たわいない会話を楽しんでいたとき、
ふと私が、
「○○（息子）と2人で
やっていけるかなｱ？」
と洩らしてしまいました。
（妻の入院中、家の中が男2人で、
あまり会話も弾まず、
何となく暗かった。）
すると妻が、微笑みながら、
「お父さん、笑顔だよ！お父さんいつも
難しい顔してるから、
○○君(息子）怖いんだよ。」
その言葉を聞いた瞬間、
私の目から涙が溢れ出しました。
「そうか〜。」と言いながら
泣き笑いしている私を見て、
妻がそっと私の膝に手を添えて、
優しく微笑みながら、
「私がブログ書いてたら、
お父さんを泣かす！だね。」
2人で顔を見合わせながら、
笑い合ったのでした。
25歳で起業して以来、
ずっと常に・人・モノ・金で、
心休まる時の少ない、
中小企業経営を３０年間、
いつの間にかいつも難しい顔が、
当たり前のようになっていた自分、
そんな自分を、ハッと振り返って、
妻の”笑顔だよ。”の一言に、
改めて家族の中での妻の存在の大きさ、
そんな妻への感謝の気持ちと、
妻への慈しみの気持ちが、
ないまぜになった中での
私の号泣でした。
それから程なくして、
妻は緩和ケア病棟へと、
移ることとなりました。
それから早いもので、
１５年の歳月が経ちました。
その間、折に触れ、
亡き妻の”笑顔だよ”の言葉を、
思い出しながら生きています。
最後に、哲人・中村天風の言葉を、
笑いは無上の強壮剤であり、
また開運剤なんです！
”笑い”と言うものは、
その苦しみや悩みに
疲れる心や体を、
「程よくこれをもって調和せよ」
ということで、
人間にだけ与えられた
特別なものに
他ならないのです。
第一、
いつもニコニコしている人に、
病弱の人いますか？
笑顔で悲観している人や、
その精神を消極的に
している人いますか？
事実において、
ニコニコ笑顔の人の
そばにいるのと、
難しいしかめっ面している
人のそばにいるのと、
どちらが気持ちいい？
笑顔の人のそばにいると、
何となくチャームされ、
多少の悩みや悲しみがあっても
忘れてしまうでしょう。
中村天風（著）〈ほんとうの心の力〉より、