還暦もいつの間にか
彼方に置いてきて、
ひとり身暮らしも、
板にはついてきたけれども、
心の中の空洞は、
いまだに埋められぬままに
日々は淡々と過ぎていく今日この頃、
そんな私が、生きる縁として、
心の支えともなっている、
作家・茨木のり子の詩、
「倚りかからず」、
その丁寧な暮らしぶりで
多くの人の憧れともなっていた詩人、
残りの人生、
もっとシンプルに、
もっと真っ直ぐに、
生きて行かねばと、
今日も心新たに、、。
「倚りかからず」
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
何不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ